コミュニケーションの大切さを学ぶ講話と体験|3年次選択・生活と福祉
12月19日 午前
本日は、焼肉レストラン「平和園」代表取締役社長 新田隆教 様をお招きし、講話と実習を行いました。前半は講話です。
次の問いかけから始まりました。
Q.皆さんは「耳が聞こえないこと」と「目が見えないこと」のどちらかを選ばなければなりません。どちらを選びますか?
多くの生徒は「耳が聞こえないこと」を選択しました。理由としては、
目が見えるので手話などで対応できる
自然や人の表情が見える
景色を楽しめる
絵が描ける
紙に書いて伝えられる
目が見えないことより不便が少ない
YouTube や Instagram を見られる
スポーツをする際に視覚が必要
といった意見が挙がりました。
一方で少数ではありますが、「目が見えないこと」を選んだ生徒もいました。
その理由は、「昨年、耳が聞こえなくなった経験があり、とても不便だったため」というものでした。
【新田様からのお話】
新田様は、生徒の回答を受けて次のように話してくださいました。
平和園では聴覚障害のある方も働いており、25年勤めた職員もいたそうです。
ご自身は視覚障害があるものの、「耳が聞こえなければ社長業は難しかった」と感じていると話されました。
声の音色や表情など、会話から得られる情報は大きく、聴覚障害のある職員は相手の感情を読み取りにくく不安を抱えることも多かったといいます。
こうした経験から、「口で言葉を交わすこと」の重要性を改めて実感したとのことでした。
また、以前は「耳が悪くなる方がまだ良い」と考えていたが、実際の状況を想像するとその考えが浅かったと気づいたとも語られました。
当事者の言葉には深い重みがあります。
【生徒との質疑応答】
生徒から「表情が分からないことで困ることはありませんか?」という質問がありました。
新田様は、
表情が分からないときは相手に直接尋ね、声の音色だけでなく言葉を交わすことで本心が伝わると話されました。
文字でのやり取りも便利だが、口にする言葉には人柄が表れ、良い言葉を使うことで人間関係も良くなるとのことでした。そのため、相手に優しい言葉をかけることを大切にしているそうです。
また、「質問力が向上する」というお話もありました。
情報は検索で簡単に得られるものの、本当に知りたいことに近づくには質問力が重要で、信頼できる人に直接尋ねることで正確な情報が得られ、迷う時間も減ると語られました。
【講話の終盤】
終盤には「一番つらかったことは何だと思いますか?」という問いかけがあり、生徒からさまざまな意見が出ました。新田様はこれまでの経験を踏まえて丁寧に答えてくださいました。
視野が狭くなる病気は周囲に理解されにくく、見えている部分と見えない部分の差から誤解が生まれやすいこと、説明しても「苦労話」と受け取られる不安があり、つらさを抱えていたことが語られました。
また、理解のギャップを埋めるため、水中ゴーグルを黒く塗って見え方を再現するなど、工夫を重ねてきたことも紹介されました。
「理解されないままでは自分も周りも不幸になる」という思いが背景にあったそうです。
最後に、人とわかり合うことは難しいが、つながるためには “わかろうとする姿勢” が大切だと締めくくられました。
講話の後には実習を行い、視覚障害についての理解を深める貴重な時間となりました。
新田様、お忙しい中お越しいただき、誠にありがとうございました。