池高日誌

カナダ姉妹校交流の事前学習~十勝・池田町の小豆農家さんへ取材に行ってきました~|課外活動

10月8日 放課後

 

カナダ姉妹校交流を控えた生徒たちが、現地で披露する「お茶会(抹茶)」のお茶請けとして池田町産の小豆を活用できないか検討するため、町内の小豆農家・林さんのもとへ取材に伺いました!

 

新潟県や大阪府など、道外から進学してきた生徒も参加し、十勝の農業のスケールや小豆づくりのこだわりに触れる貴重な時間となりました。

 

【農業は「力仕事」から「経営」へ】

「高校生から見て、農家ってどう見えますか?」という林さんの質問に、生徒からは「力仕事で大変そう」という声が上がりました。

 

しかし、現在の農業は大きな進化を遂げています。何千万円もする最新のトラクターやコンバインが導入され、GPSや自動操舵で効率的に作業が行われています。

 

林さんは「お金をかけて機械化すれば身体的な負担は減るけれど、その分経営者として整備費や投資と収入のバランスをしっかり管理しなければならない」と、農家は単にモノを作るだけでなく「一つの会社を経営する大変さがある」という現実とやりがいを語ってくださいました。

 

【100年の歴史が育む「十勝伝統の味」とこだわり】

十勝地方において、小豆や大豆は非常に重要な作物です。

 

明治時代の開拓期、本州(福井県や東北など)から入植した人々が北海道の寒冷な気候に合わせて育て始めたのが、北海道における小豆づくりの歴史の始まりでした。

林さんは「北海道で100年以上守られ続けてきた小豆は、いわば北海道の『伝統野菜』のようなもの」と話します。

 

今回取材した圃場(ほじょう)で育てられていたのは「むらさきさやか」という品種。

この小豆は、老舗和菓子店「とらや」の高級和菓子の原料としても使われている高品質な逸品です!

 

近年は消費者の好みの変化に合わせて、昔ながらの強い甘みを持つ品種から、くどくなく優しい甘みが引き立つ品種へとシフトしているそうです。

 

【生徒からの質問コーナー(質疑応答)】

生徒たちからの素朴な疑問にも、林さんが一つひとつ丁寧にお答えくださいました。

 

【Q1】十勝産の小豆にはどんな特徴があるのですか?

【林さん】 夏は暑く秋は涼しい、十勝特有の激しい寒暖差があることで、実に旨味成分がしっかり凝縮され、実がとてもぎっしり詰まるのが特徴です。 また、一言に「十勝産」と言っても、池田町・本別町・幕別町など、地域ごとの微妙な気候の違いで味に個性が生まれるのも面白いところです。

 

【Q2】取れたての小豆を美味しく食べる秘訣はあるのですか?

【林さん】 実は、採れたての小豆は1粒ごとに水分量や皮の厚みがバラバラなんです。 本当に美味しく食べるなら、1年間寝かせて水分量を均一にするのがポイント。1年寝かせることで、餡(あん)にしたときに食感がゴワゴワせず、とても口当たりの良い滑らかな餡になります。

 

【Q3】トラクターや機械の整備費はどのくらいかかっていますか?

【林さん】 トラクター1台の整備費だけで年間約50万円かかります。うちは大きいものから小さいものまで全部で8台あるので、年間で400万円以上はかかっていますね。

 

【Q4】農家さんの「オフシーズン(冬)」は何をしているのですか?

【林さん】 北海道の農家は基本的に冬休みがあります。十勝の場合は11月中旬頃の「長芋」の収穫が終わると、機械をすべて綺麗に洗って格納します。 12月から4月までは農作業はお休みになり、その間は除雪のアルバイトなどをしながら過ごしています。

 

【Q5】十勝産の小豆は海外にも輸出されているのですか?

【林さん】 輸出というよりは、実は「輸入」の勢いが強いのが現状です。 日本産の高品質で安全な小豆は海外で高値で売れるため一部輸出されますが、逆に国内向けには海外産の安い小豆を輸入するようなサイクルもできています。だからこそ、本物の国産・十勝産の価値を守っていくことが大切なんです。

 

【Q6】カナダの人たちには、小豆のどんな魅力を伝えたらいいですか?

【林さん】 カナダでも小豆は作られていますが、日本の小豆とはまったく別物です。 開拓時代から100年以上かけて北海道の気候に合わせて受け継がれてきた小豆は、「カナダでも本州でも作ることができない、十勝だけのオリジナル」です!その歴史とストーリーをぜひ誇りを持って伝えてほしいですね。 ちなみに現地でお茶請けとして振る舞うなら、皮の食感が残りにくい「こし餡」にしてあげると、海外の方にも喜ばれやすいですよ。

 

【迫力の最新農業機械を見学】

インタビューの後は、安全に配慮した上で、停車状態の大型コンバインの運転席に座らせていただきました。

 

運転席にて、林さんから複雑な収穫の仕組み、操作方法について詳しい説明を受けました。

普段は間近で見ることのできない大型機械の構造に、生徒たちも興味津々。広大な十勝の農業を支える技術の高さとスケールの大きさを実感することができました。

 

 【取材を終えて】

「僕は去年新潟からこちらに来て、農業といえば『お米一筋』というイメージでした。でも今回、十勝ならではの小豆栽培を見て、話を聞き、実際に乗って体験させていただく中で、すごく楽しむことができました。 今日僕たちが質問したことや、林さんがカナダの人たちに伝えたいとおっしゃっていたことを、語学力をしっかり磨いてカナダ現地で伝えていきたいと思います。一生懸命頑張りますので、本日はありがとうございました!」

 

 

収穫でお忙しい時期にもかかわらず、生徒たちの質問に一つひとつ丁寧にお答えいただき、温かく迎え入れてくださった林さん、本当にありがとうございました。

 

(取材協力:池田町 小豆生産農家 林様)