池高日誌

池高日誌

カードゲーム「2030SDGs」で学ぶ|1年次・産業社会と人間

R7.5.28

この日の授業は、カードゲームを使ったSDGsの取り組み体験です。

講師は、帯広生まれの東京育ち、今は芽室町にある会社で働く帯広青年会議所の芳賀さんです。

授業は、とても大きくはっきりした声で、芳賀さんの自己紹介からはじまりました。

 

ゲームの前に、SDGsの理解度をカラダで自己申告。机に手を付けると0%、頭に手をのせると100%です。

「大体理解しているよ!」という人もいましたが、ほとんどの人は机からほんの少し上で「何となく知ってるかな?」でした。そのあと、フードロスやジェンダー(性別)の問題をクイズなど交えて考えてみました。

 

 

さて、ゲームの始まりです。まずは、ルール説明から。

チーム分けして7つの国家を作りました。それぞれの国家は、カードを引き20年後のゴール(国家目標)を決め、ゴール達成に向けて手持ちのお金カードと時間カードをもとにプロジェクト(国家事業)を逐次遂行します。また、プロジェクトが遂行されると世界情勢(経済、環境、社会)が変化します。話し合いで国家間のカードやりとり(交渉)は自由です。すべての国家がゴールを達成して、世界情勢もより良くなればゲームは成功です。詳しくは以下を参照ください。
https://imacocollabo.or.jp/2030sdgs/

 

このゲームは通常2-3時間かけてやるそうですが、2コマ授業のため、この日は前半戦10年、後半戦10年や都度の振り返りなどトータル40分程度で行いました。

各国はスタート直後、自国のゴール達成に夢中で、交渉(話し合い)の場も少なく小さなものでした。

前半戦終了後、ゴール達成は1か国。世界情勢は、経済成長しましたが環境と社会は最初からほとんど変わらずでした。その状況を皆で共有しました。

SDGsは「誰一人取り残さない」を理念とし、貧困や飢餓、環境問題など様々な課題を解決することで、世界をより良くすることです。これを思い出しながら後半戦です。

前半戦に比べて交渉の場が増えて大きくなり、たくさんの国が参加する話し合いの場(国連!)まで出来ました。後半戦終了後の結果です。前半戦後と比べ世界情勢は、経済は僅かなプラスでしたが、環境と社会は倍以上に成長しました。ゴール達成は6か国、残り1か国もあと一歩でした。大成功です!!

 

最後に皆で振り返りながら、ゲームを片づけ、この日の授業は終わりました。

古城先生からは「このゲームでここまでたくさんの国が参加する話し合いの場(国連!)を見たのは初めてでした。」とありました。ゲームを通して、SDGsの理念や話し合いの大切さを感じることができました。

多くの人が、SDGsを「何となく知ってるかな?」から「自ら考え行動できる!」になったと思います。芳賀さん、とても有意義な授業を有難うございました。

自閉症スペクトラムと感情と私|3年次選択・形態別介護

本日の講師は小川さんです。

 

テーマは「発達障害の特性と関わり方(ASD)」について。

 

自閉スペクトラム症(ASD) は、3つくらいの特徴があると言われています。

 

1:社会性の感覚を掴みにくい

2:コミュニケーションが難しい

3:特定の興味やこだわり(ルーティーンがある、など)

 

 

それぞれ細かく見ていくと、「自分もそういうところあるなぁ…」なんて気質を発見したりします。

 

違うようで似ている。脳の感じ方の違い。

 

例えば、先生が「ちょっと待ってて!」と言われたらどのくらいの時間を想定しますか?

 

①5〜10秒

②2〜3分

③10〜15分

 

手を挙げてもらうと感覚は人それぞれ。

 

では、違うシチュエーションだったらどうでしょう?

・先生がPCのファイルを探してるとしたら?

・先生が職員室に忘れ物をとりにいくとしたら?

 

シチュエーションが限定されると、「ちょっと」が想像できるかもしれません。

しかし、シチュエーションが変わっても想像が難しいとしたら、社会性の感覚を掴みにくいという感じなのかな、と思いました。独特の想像力、なんて表現を小川さんは使っていました。

 

後半は、感情表現について、グループワークで体験します。

 

「『怒り』の感情を表す言葉を調べずにたくさん書き出してみよう」

 

ぷんぷん、イライラ、ムカつく、「…(言葉にならない)」、は?、などなど…

 

若い感性の怒っている表現がでてきます。

 

「今度は、その言葉をレベルに合わせて並びかえてみよう」

 

1列のグループもあれば、ピラミッドのようになるグループも。

「それぞれのシチュエーションも書いてみよう」

 

家族を馬鹿にされた時、約束をドタキャンされた時、

悪口を言われた時、自分のパフォーマンスについてけなされた時…

 

その後、「楽しい」バージョンでも行ってみます。

(ちなみに私は、怒り>楽しみ の方の言葉ばかりで、楽しさを表す自分の中の語句が少ないことに新鮮な驚きというか悲しみというか、自分の人生をちょっとだけ自問自答してしまいました)

 

では、このシチュエーションのときは、どのくらいの言葉が当てはまるでしょう?

「美味しいものを食べた時」

 

「推しに会った時」

 

 

人によって、感情の受け取り方の度合いが違うことがわかります。

 

また、自分の感情のレベル感を持っておくことで、感情のマネジメントにもつながります。

仲の良い人に対してもツボを知っていると、円滑にコミュニケーションがとれたりもしますよね。

 

いろんな人のいろんな状況や特性を知る。

 

形態別介護の授業は奥が深い!

3年次 時事問題研究 池田町の魅力探しへ 

6月11日(水)に池田町の魅力を探しに生徒5名で地域の方々へ話を聞きに池田町役場やさくら塾さん、よねくらさんへ伺いました。

一部ですが、紹介します。(池田町長への質問、回答)

・ワイン城の魅力やおすすめスポット、おすすめの食などの質問を通して池田町の魅力とは何かを考えました。

 

Q1 ワイン城の魅力について教えてください。

ワインづくりの歴史や見学、体験など五感で楽しむ施設としての魅力がある。

Q2 おすすめスポットを教えてください。

「ワイン城からの景色」、特に冬の季節は空気が乾燥して澄んでいて日高山脈まではっきり見ることが出来る。

Q3 おすすめの食について教えてください。

 「池田牛」をはじめ池田町や十勝の「食材」に特化していること

Q4 最近、大きく変化したことは?

十勝川の防災対策で掘削作業によりワイン城の屋上から川がみえるようになったこと。池田の町は過去自然災害で被害もあったが、川を大切にすることは池田町の生活との関わりが深い。

ワイン城について池田町長のご回答からワイン城の魅力やワイン事業を通して多くの人たちに発信し、伝えていく大切さを知ることが出来ました。丁寧にご回答いただきありがとうございました。 

 〔さくら塾さんとの交流の様子〕                   〔建設水道課の職員の方と交流の様子〕                                                                                           

 そのほか、池田町役場建設水道課、さくら塾さん、よねくらさんに訪問し、池田町の魅力について様々な視点でお話を伺うことが出来、地域の魅力について考えを深めることが出来ました。お忙しい中、授業にご協力いただいた皆様には感謝申し上げます。次回は町歩きを通して高校生の視点で地域の魅力を探す校外学習を実施してまちぶらマップの作成に向けて取り組んでいく予定です。

 

 

 

排便はこころのしくみを表している|3年次選択・形態別介護

人間にとって排便が機能しないと生きていけない、という話から始まった介護の選択授業。これまでの生活環境や職業などが、排便機能の不調につながるそうです。ココロとカラダはつながっているってことですね。

 

地域の小規模特別養護老人ホームから、今年もやってきました吉田裕也さん。しかも、〈生活相談員〉として、バージョンアップして池高に帰ってきてくれました。吉田さんは、爽やかな見た目とは裏腹に、自称変わり者としてもバージョンアップしていました。

 

そのエピソードをいくつか紹介すると……

・ラーメンが好き。結婚しているけど、一人で出かけて食べに行く(食べたいときはひとりでじっくり味わいたい)

・実験する。本を読んで「がんばりは逆効果」と知ってしまったので職場でがんばらないことを実践したら怒られた。でもがんばらない。

 

吉田さんの生き方考え方は、生徒たちにはどんな風に映ったでしょう。

社会福祉法人光寿会さま、本年度もよろしくお願いいたします。

 

 #正しい排便の姿勢は、オーギュスト・ロダン作の『考える人』を参考に

 

 

#吉田さんの自己紹介、生徒も前のめり?「今年の生徒はメモを取ってまじめですね」と吉田さん  

クリエイティブに生きる時間|2、3年次選択・工芸基礎

今日の美術の時間は、木工。

木彫り作業のはじまりです。使用するのは、木の板と転写紙と紙と鉛筆です。

 

まずはデザイン。画家のまささん(外部講師)が用意したものの中から選びます。多くの生徒は、ボタン、ヒマワリ、ツバキなど花のデザイン。中には……おぉぉ!?というデザインも(写真コメント参照)。

 

作業工程

①鉛筆で紙に描きます

②木の板の上に転写紙を置きます

③その上に描いた紙を置いてなぞります

④木の板に転写されたら

⑤電動糸ノコギリで、デザインした形に沿って切り落とします

 

手作業って、意外性の発見!

作業に入った途端に大胆になる生徒、慎重になる生徒、なんともないよーといった様子の生徒。その人その人のいろんな側面が見えるクリエイティブな時間でした。

 

今日のところはここまで。来週以降は、彫刻刀を使って、彫る作業に入れそう?

 

 

#ケガのないようにしっかりレクチャー

 

#準備もメンテナンスも、まずは自分でやってみる(最終確認は大人の役割)

 

 

#こわい……といいながらも慎重に少しずつ

 

 

#選んだデザインによって、難易度も変わる!

 

 

#互いに見守りながらケガもなく作業ができました

 

 

#花、ではなく、なんと〈龍〉を選んだ!鱗、描いてます。